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2014年11月8日~9日 婦人部交流登山を開催しました
8山岳会23名で11月8日・9日、中央分水嶺に位置する高島トレイルの駒ヶ岳・百里ヶ岳で開催しました。1日目は天気にも恵まれブナの巨木が続く紅葉真っ盛りの尾根道を歓声を上げながら堪能しました。2日目は小雨降る中おにゅう峠から百里ヶ岳までのピストンとなりましたが、小入谷の雲海が幽玄の世界に誘ってくれました。










12月6・7日 愛知県連2014年度氷雪技術講習会実技を開催しました
大寒波で、山域変更。 ダイナランドでラッセル三昧
県連の第46期氷雪技術講習会は2014年10月20日から5週間にわたって理論講座がおこなわれ、その締めくくりとして12月上旬に実技が実施されました。
今年は御嶽の噴火、西穂高のロープウエイ点検などの制約や、11月下旬になっても中央アルプスにも積雪がない! という条件の中で、気象情報をにらみながら、準備をすすめてきました。ところが、おりからの強烈な寒波の来襲! 急きょ、両白山地の大日ケ岳の麓、ダイナランドに山域を変更して実施することに。受講生12名、コーチング・スタッフ8名の計12名が前夜、県連盟の事務所に集合、装備の点検チェック後、仮眠。
翌6日早朝、車でダイナランドへ。ちょうどこの日にダイナランドのスキー場がオープン。装備一式を担いでリフトに乗り、終点から尾根筋を登りはじめました。ここ三日ほどの間に降った雪が120cmあまり、目の前のピーク目指して、20人が交互にラッセルをすること2時間、雪のない季節ならせいぜい10分もあれば登れてしまう距離を進むのに大汗をかきました。風はありませんでしたが、雪は降り続いています。整地をし、設営。この日はここでストップ。一晩中、降雪が続き、近くでは雪が落ちる雷のような音が時折。テント内で雪を溶かしての水造りやテントサイトの雪落とし、テント内の整理整頓…生活技術の体験です。
2日目の7日は早朝から、テント場の上部の尾根をラッセルし、斜面を圧雪して訓練スペースづくり。ひと晩に振った雪は役60cm。昨日ラッセルをしたトレールも新雪におおわれていましたので、このスペースづくりの作業もひと仕事。やっと確保したスペースを使って、滑落の事故停止訓練や、スタンディング・アイスアックス・ビレイなどの反復練習をおこない、撤収。キックステップの練習をおこなって、下山。
なければないで困るし、ありすぎてもまた困る、いわば“帯に短し襷に長し”の積雪環境でしたが、結果的には良くも悪くも、その条件に応じた講習をやってきました。
通常の山行であれば、スキー登山やスノーハイクが目的ならともかく、これほどの雪で行動することはまずありません。ですから、胸まで届くような新雪をラッセルするような機会もほとんどないし、新しく冬山を始めようとする受講生たちにも、こんな雪をラッセルして進み、設営、幕営して帰ってくるという機会もめったにないことを考えると、ある意味ではいい機会、ある意味では、たとえばアイゼンワークやピッケルワーク、風雪の岩稜での行動などがほとんどできなかったという意味では、ちょっと物足りない、そんな実技になったようです。でも、地面から胸までの全部の雪がこの二三日に一気に降った新雪だということを考えると、稀有な経験をしたとも言えそうです。例年とは違った実技になりました。

写真. 滑落停止訓練の様子
県連の第46期氷雪技術講習会は2014年10月20日から5週間にわたって理論講座がおこなわれ、その締めくくりとして12月上旬に実技が実施されました。
今年は御嶽の噴火、西穂高のロープウエイ点検などの制約や、11月下旬になっても中央アルプスにも積雪がない! という条件の中で、気象情報をにらみながら、準備をすすめてきました。ところが、おりからの強烈な寒波の来襲! 急きょ、両白山地の大日ケ岳の麓、ダイナランドに山域を変更して実施することに。受講生12名、コーチング・スタッフ8名の計12名が前夜、県連盟の事務所に集合、装備の点検チェック後、仮眠。
翌6日早朝、車でダイナランドへ。ちょうどこの日にダイナランドのスキー場がオープン。装備一式を担いでリフトに乗り、終点から尾根筋を登りはじめました。ここ三日ほどの間に降った雪が120cmあまり、目の前のピーク目指して、20人が交互にラッセルをすること2時間、雪のない季節ならせいぜい10分もあれば登れてしまう距離を進むのに大汗をかきました。風はありませんでしたが、雪は降り続いています。整地をし、設営。この日はここでストップ。一晩中、降雪が続き、近くでは雪が落ちる雷のような音が時折。テント内で雪を溶かしての水造りやテントサイトの雪落とし、テント内の整理整頓…生活技術の体験です。
2日目の7日は早朝から、テント場の上部の尾根をラッセルし、斜面を圧雪して訓練スペースづくり。ひと晩に振った雪は役60cm。昨日ラッセルをしたトレールも新雪におおわれていましたので、このスペースづくりの作業もひと仕事。やっと確保したスペースを使って、滑落の事故停止訓練や、スタンディング・アイスアックス・ビレイなどの反復練習をおこない、撤収。キックステップの練習をおこなって、下山。
なければないで困るし、ありすぎてもまた困る、いわば“帯に短し襷に長し”の積雪環境でしたが、結果的には良くも悪くも、その条件に応じた講習をやってきました。
通常の山行であれば、スキー登山やスノーハイクが目的ならともかく、これほどの雪で行動することはまずありません。ですから、胸まで届くような新雪をラッセルするような機会もほとんどないし、新しく冬山を始めようとする受講生たちにも、こんな雪をラッセルして進み、設営、幕営して帰ってくるという機会もめったにないことを考えると、ある意味ではいい機会、ある意味では、たとえばアイゼンワークやピッケルワーク、風雪の岩稜での行動などがほとんどできなかったという意味では、ちょっと物足りない、そんな実技になったようです。でも、地面から胸までの全部の雪がこの二三日に一気に降った新雪だということを考えると、稀有な経験をしたとも言えそうです。例年とは違った実技になりました。
(洞井孝雄)

2014年11月30日(日曜日) 第13回東海ブロック雪崩講習会が開催されました
2014年11月30日(日)愛知県勤労者山岳連盟事務所で第13回東海ブロック雪崩講習会が、受講者13山岳会31名(愛知21名・岐阜8名・静岡2名)及び講師・事務局含め合計40名で開かれました

内容は全国の雪崩講習会テキスト・資料を使い講義を進め午前中は雪・雪崩の基礎学習を行い冬山の気象と行動判断を行いました。午後からは地形による行動判断(6班にパーティ分けをしてある地形を設定し、どう行動するかのシュミレーション)、コンパニオンレスキューの重要性と内容、ビーコンの特性、低体温症と処置を学びました。その後、講師・受講生全員で事務所近くの公園でビーコン操作の練習を行い机上講習終了しました。(文責 佐藤)

内容は全国の雪崩講習会テキスト・資料を使い講義を進め午前中は雪・雪崩の基礎学習を行い冬山の気象と行動判断を行いました。午後からは地形による行動判断(6班にパーティ分けをしてある地形を設定し、どう行動するかのシュミレーション)、コンパニオンレスキューの重要性と内容、ビーコンの特性、低体温症と処置を学びました。その後、講師・受講生全員で事務所近くの公園でビーコン操作の練習を行い机上講習終了しました。(文責 佐藤)
2014年1月25日・26日 東海ブロック雪崩講習会実技をおこないました。
【2014年1月25日・26日 東海ブロック雪崩講習会実技をおこないました。
受講生、講師・スタッフ総勢19名。愛知県から15名、岐阜から4名。御岳で】

2014年1月25日(土)から26日(日)にかけて、日本勤労者山岳連盟東海地方協議会(東海ブロック)主催の「雪崩事故防止のための講習会」実技が実施されました。
山域は御岳。今回は「雪崩事故に遇わないために」が中心のテーマ。
25日は快晴の中、八海山からゴンドラリフトで田の原まで上がり、雪の観察、雪層の観察、雪崩のメカニズムを体験する実技などを行いました。
前夜から降雪があり、朝から雪の舞う中、ゴンドラリフトの運行が不安定なため、
26日は八海山のスキー場を使わせていただき、、雪庇の観察や、雪崩ビーコンの使い方などの実技を中心におこなって、二日間の実技をおえました。 (文責:洞井)
受講生、講師・スタッフ総勢19名。愛知県から15名、岐阜から4名。御岳で】

2014年1月25日(土)から26日(日)にかけて、日本勤労者山岳連盟東海地方協議会(東海ブロック)主催の「雪崩事故防止のための講習会」実技が実施されました。
山域は御岳。今回は「雪崩事故に遇わないために」が中心のテーマ。
25日は快晴の中、八海山からゴンドラリフトで田の原まで上がり、雪の観察、雪層の観察、雪崩のメカニズムを体験する実技などを行いました。
前夜から降雪があり、朝から雪の舞う中、ゴンドラリフトの運行が不安定なため、
26日は八海山のスキー場を使わせていただき、、雪庇の観察や、雪崩ビーコンの使い方などの実技を中心におこなって、二日間の実技をおえました。 (文責:洞井)
折れたストックをめぐって
「2012年11月、県連加盟山岳会の山行で、
下山中にバランスを崩し、持っていたスト
ックを突いたところ、ストックが折れて
転倒し、手首を骨折した、という事故が
起きました。この事故について、メーカー
に事例を示し、見解を問い合わせたところ、
①このストックはSGマーク適用除外の製品であること、
②一定の力をかければ折れる可能性があること、
③正しい使用法については販売店を通じて周知している、
という回答が返ってきました。愛知県連では、その後、
各会のストックを使用している会員から、アンケートを
取って、ストック利用に関わる実態調査をしました。
その結果から、ストックとその使用をめぐって、使用
方法の徹底だけではなく、登山者、メーカー、販売店
などが協議したり協力しあったりして、安全なストッ
クを作っていくなどの方向は考えられないかという問
題提起をしましたが、メーカーにはその気はあまりない
ようです。しかし、一方で、実際にかなりたくさんの
破損事例があるにもかかわらず、個々の事例について
いては知っていても、その多さや、ストックの強度や
正しい使い方について無頓着な登山者が多いことも事
実です。そうしたことを考えて行っていただくきっか
けとして、読んでいただければ幸いです。
愛知県勤労者山岳連盟理事会・遭難対策部」

発端・問題意識
昨年11月、下山中に、メンバーの
ひとりが身体のバランスを崩し、
とっさにストックを突いたところ、
ストックが折れて斜面に倒れ込み、
手首を亀裂骨折したという事故が報
告された。そのパーティーのリー
ダーの「ストックはよく折れる。い
ろいろなところで、折れて打ち捨て
られたのを見ている」という話から、
「よく折れる? 私の周りでは折れ
たという話はあまり聞かないのだけ
れど……。どんなメーカーのどんな
ストックで、どんな使い方をしたの
か、調べて報告してほしい」という
依頼をしたところ、後日、そのリー
ダーから、事故の状況、ストック破
損部分の写真、破断の詳細な考察を
まとめた報告書が出されてきた。
破断面の写真は、「こんなふうに
折れるのだ」という事実を改めて突
きつけている。報告書の最後は
〝「ストックは衝撃力が作用すると
破断する」ものと考えて使う必要がある
〞と結ばれていた。その通りだと思う。
しかし、「折れない」わけではない
だろうが、「そんなに簡単に折れて
もらっても困る」とも思った。
ストックは二本の足以外に積極的
に支点を増やし、安定した歩きをす
るためのバランスの補助や、足にか
かる負担を軽減するための道具とし
て、山の世界でも市民権を得てきて
いる。誰もが「折れる」ことを前提
にして山で使ってはいない、という
思いがある。
「私たちが知らないだけで、ストッ
ク破損のもっと多くの事例があると
したら……これはけっこう怖いこと
だ。仲間うちの事故にとどめないで、
きちんと事実をメーカーにも伝え、
問題があるなら改善してもらうこと
が、同様の事故が起きないためにも
必要なんじゃないか」。そんな視点
から、愛知県連では12月上旬にメー
カーに事故を伝え、見解を問う文書
を送った。

メーカーの回答と実態調査
メーカーからは、ほどなく回答が
返ってきた。それによると、当該の
ストックは「製品安全協会の定める
安全を保証する強度が、軽登山志向
のユーザーの要求する軽さ使いやす
さを満足できない」ことから、
「SG基準認定外(SGマークの
つかない商品=製品安全協会の定め
る安全を保障する強度ではない)
商品として市場に流通させ」たもの
であること、安全に向けては、
チラシ、取扱説明書、パッケージ、
販売店などを通じて「耐荷重を超え
た誤使用を避けるようお願いし、
事故の未然防止に努めた」とのこと
だった。言い換えれば、「折れた
ストックはSGマークのついていな
い商品だし、使い方については説明
しているので、(事故は)誤った
使い方をした登山者の責任だ」との
主張ととれないこともない。
「こんな見解じゃあなあ……」
というのが大方の意見であった。
「会でも、ストックを使っている
ひとが多くなっている。会の外の一
般の登山者のストック使用比率っ
て、かなりすごいのでは。そういう
ひとたちがみんな、こんな説明を受
けてるとは思えないのだけれど
……」そんな意見も仲間から出され
た。
ある店舗では、「もともとストッ
クは補助的なもので、全体重をかけ
るものではない。その趣旨を説明し
て販売している」、「メーカー間に差
はなく、ほとんどのメーカーのス
トックが修理に出されてきている」
という話を聞いた。
まず仲間うちの実態をつかもう
と、各会に、ストックにかかわるア
ンケート(設問項目:①メーカー名、
②購入店、③購入時期、④購入時の説
明の有無、⑤破損経験の有無、⑥シン
グルでの使用かダブルでの使用か)
を実施した。3週間ほどの間に集
まった10山岳会266件の回答のうち、
「購入時の説明の有無」、「破損
経験の有無」の二点を見ると、「説
明を受けた」と答えたのは49人(18・4%)、
「破損経験がある」と答えたのは
20人(7・5%)であった。受けた説明の
内容はほとんど伸縮の仕方、ジョイント
の締め方などで、明確に「強度」に
ついて説明を受けたと答えているのは
1人であり、実態とメーカーの回答とは
少し乖離がある。破損の事例は、「折れ
た」、「曲がった」が各8人、あとは
「ジョイント部分、ねじ部分の故障」
であったが、表面に出ていないところで
けっこう事例があることがわかった。

メーカーの姿勢と登山者の意識
「ナイロンザイルは切れない」という
メーカー側の謳い文句が「ナイロンザ
イル事件」の発端だった。「プラ・
ブーツは劣化、加水分解する」という
注意をメーカーが呼びかけ、新しい
素材による登山靴が次々に開発されて
きたのは、突然プラ・ブーツがばら
ばらになった、という登山者の声が
届いたからだった。
今、「ストックは折れる」、「使用
上の注意も呼びかけている」とメー
カーは言っている。しかし、はじめ
からそう断っているからといって、
身体のバランスを立て直すための補
助として使ったら、「想定外」の荷
重がかかって転倒し、骨折した事故
が現実に起きているのに、強度の基
準を示し、SGマークのシールが
貼ってない商品だから、ここまで以
上の力がかかれば「折れるよ」と澄
まして回答するだけで済まされる
か、といえば、そうは思えない。
「折れる」ことが基準認定外商品
として想定内のことであるとした
ら、「登山のギア」として、いった
い何を作っているのか、何を売って
いるのか、という指摘はまぬがれな
いだろう。想定外のことであれば、
その事例にきちんと向き合い、検証
しながら改良に向けていく姿勢が必
要なのではないか、と言いたいのだ。
これほど登山のギアとして普及して
きているストックの「登山道具」と
しての位置付けをもう一度考え直し
たり、安全基準を見直すことが要る
のではないか。
登山者にも考えてほしい。そうい
う説明があったから、そう断って
あったから、「折れた」のは自分た
ちが基準以上の荷重を掛けたからな
んだ、なんて、妙に物分かりがよす
ぎていいのか、おい。
(『登山時報』2013年3月号より)
下山中にバランスを崩し、持っていたスト
ックを突いたところ、ストックが折れて
転倒し、手首を骨折した、という事故が
起きました。この事故について、メーカー
に事例を示し、見解を問い合わせたところ、
①このストックはSGマーク適用除外の製品であること、
②一定の力をかければ折れる可能性があること、
③正しい使用法については販売店を通じて周知している、
という回答が返ってきました。愛知県連では、その後、
各会のストックを使用している会員から、アンケートを
取って、ストック利用に関わる実態調査をしました。
その結果から、ストックとその使用をめぐって、使用
方法の徹底だけではなく、登山者、メーカー、販売店
などが協議したり協力しあったりして、安全なストッ
クを作っていくなどの方向は考えられないかという問
題提起をしましたが、メーカーにはその気はあまりない
ようです。しかし、一方で、実際にかなりたくさんの
破損事例があるにもかかわらず、個々の事例について
いては知っていても、その多さや、ストックの強度や
正しい使い方について無頓着な登山者が多いことも事
実です。そうしたことを考えて行っていただくきっか
けとして、読んでいただければ幸いです。
愛知県勤労者山岳連盟理事会・遭難対策部」

発端・問題意識
昨年11月、下山中に、メンバーの
ひとりが身体のバランスを崩し、
とっさにストックを突いたところ、
ストックが折れて斜面に倒れ込み、
手首を亀裂骨折したという事故が報
告された。そのパーティーのリー
ダーの「ストックはよく折れる。い
ろいろなところで、折れて打ち捨て
られたのを見ている」という話から、
「よく折れる? 私の周りでは折れ
たという話はあまり聞かないのだけ
れど……。どんなメーカーのどんな
ストックで、どんな使い方をしたの
か、調べて報告してほしい」という
依頼をしたところ、後日、そのリー
ダーから、事故の状況、ストック破
損部分の写真、破断の詳細な考察を
まとめた報告書が出されてきた。
破断面の写真は、「こんなふうに
折れるのだ」という事実を改めて突
きつけている。報告書の最後は
〝「ストックは衝撃力が作用すると
破断する」ものと考えて使う必要がある
〞と結ばれていた。その通りだと思う。
しかし、「折れない」わけではない
だろうが、「そんなに簡単に折れて
もらっても困る」とも思った。
ストックは二本の足以外に積極的
に支点を増やし、安定した歩きをす
るためのバランスの補助や、足にか
かる負担を軽減するための道具とし
て、山の世界でも市民権を得てきて
いる。誰もが「折れる」ことを前提
にして山で使ってはいない、という
思いがある。
「私たちが知らないだけで、ストッ
ク破損のもっと多くの事例があると
したら……これはけっこう怖いこと
だ。仲間うちの事故にとどめないで、
きちんと事実をメーカーにも伝え、
問題があるなら改善してもらうこと
が、同様の事故が起きないためにも
必要なんじゃないか」。そんな視点
から、愛知県連では12月上旬にメー
カーに事故を伝え、見解を問う文書
を送った。

メーカーの回答と実態調査
メーカーからは、ほどなく回答が
返ってきた。それによると、当該の
ストックは「製品安全協会の定める
安全を保証する強度が、軽登山志向
のユーザーの要求する軽さ使いやす
さを満足できない」ことから、
「SG基準認定外(SGマークの
つかない商品=製品安全協会の定め
る安全を保障する強度ではない)
商品として市場に流通させ」たもの
であること、安全に向けては、
チラシ、取扱説明書、パッケージ、
販売店などを通じて「耐荷重を超え
た誤使用を避けるようお願いし、
事故の未然防止に努めた」とのこと
だった。言い換えれば、「折れた
ストックはSGマークのついていな
い商品だし、使い方については説明
しているので、(事故は)誤った
使い方をした登山者の責任だ」との
主張ととれないこともない。
「こんな見解じゃあなあ……」
というのが大方の意見であった。
「会でも、ストックを使っている
ひとが多くなっている。会の外の一
般の登山者のストック使用比率っ
て、かなりすごいのでは。そういう
ひとたちがみんな、こんな説明を受
けてるとは思えないのだけれど
……」そんな意見も仲間から出され
た。
ある店舗では、「もともとストッ
クは補助的なもので、全体重をかけ
るものではない。その趣旨を説明し
て販売している」、「メーカー間に差
はなく、ほとんどのメーカーのス
トックが修理に出されてきている」
という話を聞いた。
まず仲間うちの実態をつかもう
と、各会に、ストックにかかわるア
ンケート(設問項目:①メーカー名、
②購入店、③購入時期、④購入時の説
明の有無、⑤破損経験の有無、⑥シン
グルでの使用かダブルでの使用か)
を実施した。3週間ほどの間に集
まった10山岳会266件の回答のうち、
「購入時の説明の有無」、「破損
経験の有無」の二点を見ると、「説
明を受けた」と答えたのは49人(18・4%)、
「破損経験がある」と答えたのは
20人(7・5%)であった。受けた説明の
内容はほとんど伸縮の仕方、ジョイント
の締め方などで、明確に「強度」に
ついて説明を受けたと答えているのは
1人であり、実態とメーカーの回答とは
少し乖離がある。破損の事例は、「折れ
た」、「曲がった」が各8人、あとは
「ジョイント部分、ねじ部分の故障」
であったが、表面に出ていないところで
けっこう事例があることがわかった。

メーカーの姿勢と登山者の意識
「ナイロンザイルは切れない」という
メーカー側の謳い文句が「ナイロンザ
イル事件」の発端だった。「プラ・
ブーツは劣化、加水分解する」という
注意をメーカーが呼びかけ、新しい
素材による登山靴が次々に開発されて
きたのは、突然プラ・ブーツがばら
ばらになった、という登山者の声が
届いたからだった。
今、「ストックは折れる」、「使用
上の注意も呼びかけている」とメー
カーは言っている。しかし、はじめ
からそう断っているからといって、
身体のバランスを立て直すための補
助として使ったら、「想定外」の荷
重がかかって転倒し、骨折した事故
が現実に起きているのに、強度の基
準を示し、SGマークのシールが
貼ってない商品だから、ここまで以
上の力がかかれば「折れるよ」と澄
まして回答するだけで済まされる
か、といえば、そうは思えない。
「折れる」ことが基準認定外商品
として想定内のことであるとした
ら、「登山のギア」として、いった
い何を作っているのか、何を売って
いるのか、という指摘はまぬがれな
いだろう。想定外のことであれば、
その事例にきちんと向き合い、検証
しながら改良に向けていく姿勢が必
要なのではないか、と言いたいのだ。
これほど登山のギアとして普及して
きているストックの「登山道具」と
しての位置付けをもう一度考え直し
たり、安全基準を見直すことが要る
のではないか。
登山者にも考えてほしい。そうい
う説明があったから、そう断って
あったから、「折れた」のは自分た
ちが基準以上の荷重を掛けたからな
んだ、なんて、妙に物分かりがよす
ぎていいのか、おい。
(『登山時報』2013年3月号より)
Information
■積雪期救助訓練のお知らせ
積雪期、残念ながら事故が起きてしまったとき、当該のパーティが自らの力で、応急処置から搬出までを行うことができれば事故者にとっては最もベストな対応だといえます。万一の場合、適切に対処できる知識と技術を学び、それを身につけることを目的とした訓練を行います。申し込み締め切りは1月27日(金)必着です。
※この訓練は愛知労山所属の山岳会 会員のみ受講できます。
・ここをクリック
■東日本大震災に対する日本勤労者山岳連盟からのお知らせ
全国連盟の声明と義援金の受付、労山支援隊の活動映像はこちらをご覧ください。
・ここをクリック
積雪期、残念ながら事故が起きてしまったとき、当該のパーティが自らの力で、応急処置から搬出までを行うことができれば事故者にとっては最もベストな対応だといえます。万一の場合、適切に対処できる知識と技術を学び、それを身につけることを目的とした訓練を行います。申し込み締め切りは1月27日(金)必着です。
※この訓練は愛知労山所属の山岳会 会員のみ受講できます。
・ここをクリック
■東日本大震災に対する日本勤労者山岳連盟からのお知らせ
全国連盟の声明と義援金の受付、労山支援隊の活動映像はこちらをご覧ください。
・ここをクリック
女性のつどい第3弾
女性のつどい第3弾「山道具屋さんに聞く装備の話し」と題して、
講師に刈谷「穂高」の鈴木さんをお招きし、6月14日(木)開催しました。
8山学会19名の方が参加。
ウェアーから天気予報まで多岐にわたった内容になり、最後にご自身が実際に使用されている
装備やパッキングの方法等を見せて頂きました。山行計画のプランニングによって装備が変わってくるので、
山行する山域の環境データを調べて必要な装備等の把握をして、荷物の軽量化など総合的に考え判断することの
大切さを教えて頂きました。
第4弾として7月5日(木)「山筋ゴーゴー体操」を県連事務所で午後7時より開催いたします。
多数の参加者をお待ちしています。
講師に刈谷「穂高」の鈴木さんをお招きし、6月14日(木)開催しました。
8山学会19名の方が参加。
ウェアーから天気予報まで多岐にわたった内容になり、最後にご自身が実際に使用されている
装備やパッキングの方法等を見せて頂きました。山行計画のプランニングによって装備が変わってくるので、
山行する山域の環境データを調べて必要な装備等の把握をして、荷物の軽量化など総合的に考え判断することの
大切さを教えて頂きました。
第4弾として7月5日(木)「山筋ゴーゴー体操」を県連事務所で午後7時より開催いたします。
多数の参加者をお待ちしています。
第40回鈴鹿山系清掃登山にご参加ください!

鈴鹿山系清掃登山とは
愛知県勤労者山岳連盟は三重県勤労者山岳連盟との共催で、きたる6月3日(日)に御在所岳、藤原岳の二山域で、鈴鹿山系清掃登山を実施します。
この清掃登山は、日本勤労者山岳連盟が毎年6月の第一週に、全国一斉に清掃登山を実施しようという呼びかけに応えるもので、同じ日に全国の山々で仲間たちがクリーン作戦を展開します。
愛知県連盟の清掃登山は、今年で第40回を迎えます。午前中は、御在所岳、藤原岳のどちらかに登っていい汗をかき、自然の美しさ素晴らしさを楽しんでください。午後は、楽しませてくれた自然にちょっぴり恩返し。山頂で集会をおこなったあと、いくつかのコースにわかれて、ゴミをひろいながら下山します。
実際に山のゴミを拾う活動に参加してもらうことで多くのひとに
・山にゴミを捨てない
・捨てさせない
・持ち帰る
というモラルの向上と、自然への関心を高めてもらおうというのがこの清掃登山の狙いです。
誰にでもできる自然保護・環境保護への第一歩。どなたにも参加していただくことができます。多くの方々の参加をお待ちしています。
当日は、山頂に受付を設けるほか、会員たちが参加の呼び掛けをします。参加いただける方は、受付をしてビニール袋を受け取ってください。
要項
【当日のスケジュール】
御在所岳
11:00 山頂朝陽台にて受付
12:30 各山域にて集会を行います
13:00 各コースに分かれて清掃下山
16:00 ロープウェイ山麓駅駐車場にてゴミ集計
藤原岳
11:00 9合目避難小屋前にて受付
12:30 各山域にて集会を行います
13:00 各コースに分かれて清掃下山
16:00 西藤原小学校下の駐車場にてゴミ集計
【交通アクセス】
御在所岳
近鉄名古屋駅 7:31 →(近鉄四日市駅乗り換え)→ 近鉄湯の山駅
三交バス → 湯の山温泉(9:00頃)
藤原岳
近鉄名古屋駅 7:41 →(富田駅にて三岐鉄道に乗り換え)→ 西藤原駅(9:01)
【受付】
御在所岳
朝陽台広場にて参加受付をしています。
藤原岳
9合目避難小屋前にて参加受付をしています。
主催 三重県勤労者山岳連盟 愛知県勤労者山岳連盟
後援 三重県、いなべ市・菰野町、御在所ロープウェイ(株)
一般参加者募集中の山岳会
次の会が一般の方を対象にした公開山行を行います。私たちと一緒に登りませんか?
・あつた勤労者山岳会(御在所岳)
・みどり山の会(御在所岳)
・じねんじょ山の会(藤原岳)
・山の会くらら(御在所岳)
・半田ファミリー山の会(御在所岳)
詳細は各会のホームページをご覧ください(会名をクリック)。
その他の山岳会も、一般参加者を募集しています。
ぜひ、お問い合わせください
今年の清掃登山ポスター(クリックすると拡大されます)

東栄町「山の学校」に71人! 11/19~20 愛知県連婦人部「女性交流登山」
愛知県連婦人部主催の女性交流登山が11月19日・20日に行われました。
東栄町にある廃校となった小学校を保存活用する「山の学校」を宿舎に、14山岳会から71名の参加者が集まり、楽しく有意義な二日間を過ごしました。
11月19日(土)はあいにくの雨でしたが、この日の予定は、「女性登山者の力量を高める」をテーマにした学習会。午前9時半にそれぞれ乗用車やマイクロバスに分乗して集合した参加者は、パーティー分けのあと、講堂に集合して開会の集会。二宮婦人部長の「積極的な交流の場に」というあいさつの後、学習会に移りました。
この日の、学習のトップバッターは「地図読み」。ふわく山の会の鈴木浩さんを講師に、パーティーごとに、磁石と地図を手に正(整)地、現在地確認などの実技をゲーム感覚で行いました。ついで、再び講堂に集合し、講演「転ばない山の歩き方」が始まりました。講師は県連理事長の洞井孝雄さん(半田ファミリー山の会)。最初に「転ばない山の歩き方などはない!」という切り口で、歩き方の基本や、ストックの選び方、使い方などについての講義が行われました。普段、歩き方やストックの使い方などについて、なかなかまとまった話を聞く機会がないので、こうした話は新鮮だったようです。
昼食休憩をはさんで、午後からはふわく山の会の久保田孝夫さんによる「山の雑話」。長い登山経験の中で見てきた登山の歴史や自然、ひとの変化、こぼれ話など、最近はあまり聞く機会のない話に引き込まれて楽しいひと時を過ごしました。
夕食はパーティごとに鍋を囲んで交流会。一日中降り続いた雨も、ようやく勢いを失い、翌日には上がるという予報。20日に交流登山がおこなわれる明神山の上部は岩場が多いので要注意、ということで、夕食後、急きょ、固定ロープに命綱をつけて通過するためのロープワークが行われました。
11月20日(日)は、予報通り雨があがり、早朝、車に分乗して明神山登山口まで移動し、山頂をめざしました。少し水かさを増した沢の渡渉から登山は始まります。急な樹下の道をたどり、途中から現れた鎖場やハシゴ、痩せた尾根などを慎重に登っての登山。なかなか明神山は険しく、注意の必要な山です。それだけに、事前の実行委員会の参加者の顔ぶれをみながらのパーティー分けやリーダー配置など、細やかな配慮は大きな意味をもっていたようです。
お昼には、全員が山頂に到着、休憩の後、再びパーティーごとに下山。事故もなく、全員無事に下山。「山の学校」に戻って、行われたまとめの集会では、洞井理事長が、
「全国各地の地方連盟には女性委員会があるが、愛知県連だけは女性の代表が集まって、という発想がない、会員の半数以上は女性会員であること、その代表ではなく、ひとりひとりが横のネットワークを広げて登山活動を展開していくという意味で、婦人部という名称をかえないまま活動を続けているのは愛知県連だけだ。女性が集まって、自分たちの力量を挙げ事故を防止していこうという交流登山の取り組みももう何回目かになるが、参加者の顔ぶれも広がり、その運営の仕方も、はじめのころと比べて、随分変わってきた。力量をあげてきたということだと思う。ひとつの県連の婦人部だけで70数名の人たちを集めて、この山域で安全な登山ができたことに自信を持ってほしい。これからさらに大きなネットワークが広がっていくことを期待したい」
とあいさつし、閉会しました。
第43期氷雪技術講習会スタート
愛知県連の氷雪技術講習会が10月24日(月)からスタートしました。

例年開かれる氷雪技術講習会ですが、今年は
【机上】
①「冬山の装備と生活技術」10月24日(月)
②「冬山の気象」 10月31日(月)
③「氷雪技術」 11月7日(月)
④「冬山の危険と安全対策」11月14日(月)
⑤ 実技打ち合わせ 11月28日(月)
【実技】
宝剣岳周辺(予定) 12月3・4日(土・日)
のカリキュラム、日程で開講されます。
講師は②の「冬山の気象」はおやこ山の会の飯田征さん、それ以外は、半田ファミリー山の会の洞井孝雄さん(愛知労山理事長)が務めます。

10月24日、午後7時から愛知労山事務所でスタートした氷雪技術講習会。今年は、例年になく、受講希望者が多く、定員20人を越える受講者になりました。理論講座だけの受講者も多く、第一回の講座には新人、ベテラン、あわせて50名近い仲間が講座を聞きました。
「冬山の装備と生活技術」の講座では、まず、冬山がどのような条件によって構成されるか、それらの条件がどのような行動の困難と危険を引き起こすか、それらに対処する知識や技術はどのようなものがあるかという、冬山の定義について解説がなされました。
講師の洞井さんは、冬山における、それぞれの困難や危険について、実際の事故事例や、自らの経験を例に出しながら説明し、あわせて、日常の山行で携行しているベーシックな装備に加えて、雪山ではどのような装備が加わり、それらをどのように使うか、どんなものを選ぶか、などについて、実際の装備を示しながら紹介しました。
講座が終わってからも、紹介された装備の周りには受講生が集まり、講師に質問をしたり、受講生同士、話がはずんでいました。
毎年、氷雪技術講習会の実技の時期には、雪があるかどうかが心配の種ですが、例年以上に熱気のこもった講習会になりそうです。
次週第二回の講座は「冬山の気象」。講座だけの受講は当日の申し込みでも受講可能です(1講座受講料500円です)。

例年開かれる氷雪技術講習会ですが、今年は
【机上】
①「冬山の装備と生活技術」10月24日(月)
②「冬山の気象」 10月31日(月)
③「氷雪技術」 11月7日(月)
④「冬山の危険と安全対策」11月14日(月)
⑤ 実技打ち合わせ 11月28日(月)
【実技】
宝剣岳周辺(予定) 12月3・4日(土・日)
のカリキュラム、日程で開講されます。
講師は②の「冬山の気象」はおやこ山の会の飯田征さん、それ以外は、半田ファミリー山の会の洞井孝雄さん(愛知労山理事長)が務めます。

10月24日、午後7時から愛知労山事務所でスタートした氷雪技術講習会。今年は、例年になく、受講希望者が多く、定員20人を越える受講者になりました。理論講座だけの受講者も多く、第一回の講座には新人、ベテラン、あわせて50名近い仲間が講座を聞きました。
「冬山の装備と生活技術」の講座では、まず、冬山がどのような条件によって構成されるか、それらの条件がどのような行動の困難と危険を引き起こすか、それらに対処する知識や技術はどのようなものがあるかという、冬山の定義について解説がなされました。
講師の洞井さんは、冬山における、それぞれの困難や危険について、実際の事故事例や、自らの経験を例に出しながら説明し、あわせて、日常の山行で携行しているベーシックな装備に加えて、雪山ではどのような装備が加わり、それらをどのように使うか、どんなものを選ぶか、などについて、実際の装備を示しながら紹介しました。
講座が終わってからも、紹介された装備の周りには受講生が集まり、講師に質問をしたり、受講生同士、話がはずんでいました。
毎年、氷雪技術講習会の実技の時期には、雪があるかどうかが心配の種ですが、例年以上に熱気のこもった講習会になりそうです。
次週第二回の講座は「冬山の気象」。講座だけの受講は当日の申し込みでも受講可能です(1講座受講料500円です)。